「目覚めると、世界は虚空に浮かぶ小島になっていた!しかも人々はみな記憶を失い、なぜこうなったのかも、自分自身が何者なのかもわからない。唯一の手掛かりである謎の地図を頼りに、フォーラーは世界の淵から飛び出し、見わたす限りの青空の中を落下していく。」
裏表紙にあるこのあらすじの引き込みが強すぎる!
絶対に面白いやつだ!と迷わず購入しました。
結果大満足。
この作品、謎の提示の仕方がうまい。
まず、「なんで世界はこうなった?」というのが主人公も読者の我々も共通して、一番大きくて作品を通して解き明かしていく最も長い謎。
そして、
「落下世界」のフォーラーが主人公の世界と、科学者ピーターの世界が交互に描かれる中で浮かんでくる「この二つの関係性は?」という次に大きな謎。
この2つの謎がきになってきになって読み進めてしまう。
それ以外にも
・地図の意味
・次々現れる登場人物たちの謎
などなど気になることが満載。
そして、落下した先にはまた別の世界があり、それぞれに様々な環境・人物たちがいるところも、物語がだれない、常に新鮮な驚きと面白さをくれるこの作品の素晴らしいポイント。
文章も翻訳物の海外SFの中でも特に読みやすいので、ぜひ手に取って読んでみてほしい作品です。