※ネタバレを含みます
この映画の本当にいいところは、どの登場人物にも感情移入できる、誰の立場にも自分がなれる能性があるところだと思う。
狂気が!って感じの宣伝をされていたから、もっと暴力的な、常軌を逸した人の怖さ!って内容かなって思ってたら焦点はそうじゃなかった。
一番狂人として描かれていたであろう代表は、騙された悲しい過去があったし、正体が露見したあとも必死にアパートを守ってた。
住民がアパートのルールを破ってゴキブリを保護してたときも、住民には過度な処罰はせず、謝罪の教養で収めるという冷静な判断。
遠征だって代表だけがずっとみんなを鼓舞して続けていたし、食品店での暴力も仲間を傷つけられたから。
どの人だって、どの立場だって理由がある。
代表だけじゃなくて、みんなそれぞれの意見で生きていて、それがずっと一貫して描き切っていたところにとても感服した。
だいたいパニックホラーって
・アクション(サバイバルアクション的な)
・ホラー(狂気、暴力、食人)
・SF(なぜ滅びたか、どう救うか)
のどれかによりがちだと思う。(それも大好きなんだけど!)
でもこの作品は一貫して、〈普通の人〉が焦点だった。
最後の台詞もそれを表していた。
こういう、一貫したコンセプトみたいなものが見える作品って、作り手の情熱を感じるから大好き。きちんと、魂を入れて作ったんだな、って感じる。
韓国映画は初めてなのでキャスト人は誰も知らかなったけど、
一番好きなのはやっぱり代表。調べてみたらイ ビョンホンって人で普段はイケメン役とかやってたみたい。今回は最初の冴えないところから権力を手にしていく様子がこの人の演技力で支えられていて、めっちゃくちゃいい役者さんなんだなって思った。
また別の役も見てみたい!
これを機に韓国映画に広げてみるのもありだなと思いました。